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六十二回 ~バイオ最恐の遺伝子~ バイオハザード1×7開発者対談②



さて皆さん、最恐のバイオハザードとして絶賛発売中、『バイオハザード7 レジデント イービル』、遊ばれてますか?
ダウンロードコンテンツも続々配信され、よりプレイヤーに恐怖が深く刻み込まれている『バイオハザード7』。



前回のカプコン伝説から始まった「バイオハザードディレクター対談」。
今回はいよいよ、『バイオハザード7』の開発について語っていただきます。 どうぞ!



【主観視点なんてとんでもない!?】


――『バイオハザード7』に関してお伺いしますが、『6』から大胆なシステム、ゲーム内容の変更がありました。とくに「アイソレートビュー(主観視点)」の導入は思い切った変更だと思いますが、これはすんなり決まった形だったのでしょうか?



追ってくるマーガレットから隠れるミア。
アイソレートビューが、臨場感を引き立てます。


中西:今回、竹内さんから最初に「今回はホラー」「シングルプレイのみ」「シリーズキャラを使うのは最後だけ」「アイソレートビューで行く」という明確な方向性の提示があったので、ある意味やりやすかったですね。『7』よりもずっと前の話なんですが、個人的に海外のゲーム開発者とかに、「主観視点のバイオハザードってどう思う?」と聞いたことあるんですよね。「主観視点? ありえないでしょ」という反応でしたから。

――え、そうだったんですか?

中西:「バイオハザードはTPS(※サードパーソンシューティング:第三者視点でキャラを動かすシューティングゲーム)だろう? なんでそれを主観視点にするんだ?」という反応が大半でした。竹内さんはそういう意見に対して、スティーブ・ジョブズ(※apple創設者)の「客は答えを持っていない」という話をしていて。要は「マーケティングをしても、すでに存在するものに対しては意見が聞けるけど、まだ無いものに対して意見が出てくるわけじゃない」…というニュアンスなのですが、バイオハザードのような長く続いているシリーズの場合は特に、誰かが「こうする!」って言い切らない限り、まとまらないんですよね。



『バイオ6』から『バイオ7』、客観視点から主観視点へ。
大幅な画面の変更には、トップの大胆な判断に裏打ちされたものでした。


――『バイオハザード7』では『6』までのハリウッド大作映画のような雰囲気から一転、田舎の古い屋敷が舞台、小さなエリアに凝縮されたゲームの方向性にも驚いたのですが、それもすんなり決まった形でしょうか?

中西:これも竹内さんの「The Evil Dead(※1981年公開のホラー映画。邦題「死霊のはらわた」)をモチーフにしよう」、というテーマがあったんですね。「The Evil Dead」って、廃屋一軒と登場人物5人の映画なんです。
「それであれだけインパクトがあるんだから、キッチリ作り込めれば、ちゃんとホラーとして成立するはず」と。これは、現世代機で作るにあたり技術的にも大きく進化させる必要があった中で、「狭く深く」作るというプロジェクトの方針でもあったんです。言い換えると「選択と集中」。グローバル市場で大規模な他タイトルと勝負するために、「バイオハザード」にしかないものをしっかり差別化したかったんですね。



あるキャラクターが豹変するのも、「The Evil Dead」の影響?


安保:また、『バイオハザード』は、三作品ごとに転機が訪れるタイトルなんですね。「1~3」までの、固定視点型のサバイバルホラー、「4~6」のTPSを昇華させたシステム。三作作るとどうしてもマンネリ化してきて、革新が必要になる。『6』が終わったときから、「変えなきゃいけない」という議論は行われていました。今作は、転機だったんだと思います。

中西:「オープンワールドでしょ!」というような話もしてましたね。

――えええええええええ!!!!

中西:
当時の「業界あるある」なのですが、とりあえずオープンワールドって言っとけばいいでしょ、みたいな(笑)。本当かどうか分からないですが、ストリートファイターもオープンワールドという話があったとか。個人的には面白そうなんですが(笑)。結局は『7』については、むしろその逆を行って、狭く深く作ろう、と。結果としてこの方針で作りきったことは、うまくハマッたと思います。
――安保さんは、今作『バイオハザード7』をプレイしてみて、いかがでしたか?

安保:ホラーゲームとして、本当にきちんとツボを押さえていると思いました。それでいて、主観視点に変えたり新たな表現を付加しつつも、ゲームのコアはちゃんと「バイオハザード」の文法で作られていて、とてもバランスの取れた内容に仕上がっていると思います。



【新主人公の理由と恐怖】


――主人公をシリーズでおなじみのクリスやレオンではなく、完全に新しい主人公“イーサン”にした理由は何ですか?



廃屋にイーサンが訪れるところからスタートする『バイオハザード7』。
イーサンには状況が何も分からず、現状の説明が与えられないプレイヤーの状況とリンクします。


中西:最初に竹内さんが「シリーズキャラを使うのは最後だけ」と言ったのは、キャラクターに引っ張られないためにという意図だと受け取ってます。大勢の人数が集まってものを作るときは、極端で分かりやすい方針を言わないと、拡散してうまく伝わらないんですよね。バイオハザードの企画をつくる場合、まず、「主人公は誰にする?」みたいな切り口で始めがちなんですが、そこじゃない、と。チームにもシリーズをやってきて、キャラクターが好きなメンバーはたくさんいますしね。実際、レオンを主人公にしてたら、嫁に襲われる展開や、腕が無くなる、とかの発想は出なかったと思います。むしろ、鍋のフタをあけてゴキブリに驚くレオンなんて見たくないでしょ?(笑)。プレイするお客さんも期待するものが違ってきますよね。

安保:
『6』まで続いた設定やストーリーのしがらみを、一度リセットさせる意味があったんですよね。

中西:
そうですね。今回、ホラーを目指すうえで「没入感」をキーワードにしていました。ゲームのプレイ体験を、プレイヤー自身の経験に近づけたかったんです。そのために、主人公は“プレイヤーの前に出ない”ある意味で“薄いキャラ”、プレイする人が等身大と感じられるキャラにしました。また、『7』では「没入感」をとても重視していました。アイソレートビュー、フォトリアル、3D音響も、より自分が実際にそこにいる感覚に近づけることができますし、当初はカットシーンも一切なし、ゲームが始まったらロードなし、UIは極力シンプルに、などなど、とにかく没入感を高めるようゲームを設計していきました。没入感が恐怖を高めるという意図なのですが、それ以外にも個人的にはコンソールゲームは“体験”であってほしい、そこが、モバイルとの差別化として重要だと、いちソシャゲプレイヤーとしても思ってました。

安保:
『7』が『バイオハザード』として新しいのは、敵のほうが全然個性的な部分ですよね(笑)。

中西:
そうですね(笑)。



とっても“個性的”なベイカー家の皆様。 右端のベイカー家ではない人が、一番フラットな感じですね。


中西:今回は主人公を強くキャラ立てしない、という前提があったので、反面“敵のキャラクターを立てたい”と考えました。先ほどお話ししたように、映画「The Evil Dead」のように敵の数も絞って作り込む、という方針がありました。館にいる数人のキャラ、といえば“家族”。企画当初は「死霊一家」と呼んでたのですが、敵を“家族”という括りで立てていくことにしました。

――なるほど、そういう流れで敵が決まったのですね!

中西:幸い、どのキャラも愛されているようなので、うれしいです。

――体験版の配信早々に、ジャックが「ファミパンおやじ(ファミリーパンチおやじ)」とニックネームをつけられていたときは、何のことかと思いました(笑)。


中西:開発としても、体験版「ビギニングアワー」の時点で、あんなにキャラが走るとは思いませんでした(笑)。体験版のジャックはちょっとしか出番はなかったのですが、あれだけの出番でもファンにTシャツも作ってもらえて、ありがたかったです。



「お前も家族だ」と殴りかかるジャック。
体験版のラストは、大変なインパクトでした。


中西:チームを管理上、グループ分けするのですが、「7」では、作る要素ごとに、班を分けていました。キャラクターなら「父班」「母班」といった感じで。

――え、そうなんですか?

中西:毎週、チーム全体で進捗を報告する会があるのですが、「今週の父」とか「母がしゃべるようになりました」とか、文字面だけ見ると、お前らいったい何の話してんの?と、謎な会議になってましたね(笑)。



『バイオハザード7』の“父”ジャック。
「今日の“父”はより顔色が悪く、イラついた感じになっています」などの報告が!?


中西:それぞれ班ごとに良い意味で競争が起こって、「あっちの“母”には負けない」とかライバル意識も出てくるんです(笑)。そういう、担当者に愛着を持って作られた部分が、ゲームにもにじみ出てくるんですよね。

安保:差別化がキャラごとに、うまく表現されていましたね。

――ダウンロードコンテンツ(DLC)も順次配信されていますが、「BEDROOM」をプレイしたプレイヤーには、母(マーガレット)が可愛く感じられて、人気がうなぎのぼりのようですね(笑)。



DLC「BEDROOM」でのマーガレット。
実は、愛情深いキャラなのかも?


中西:あれは、本編を作り終えて「もっとこうしたかった」「ああしたかった」というのがあって、それを詰め込んだ形なんですよね(笑)。「ムカデ口移し」とか、本編を作るときに入れようとしたアイデアです。

――マーガレットの、いろいろなリアクションが見られて面白いですよね。



こちらは本編のマーガレット画像。
彼女の「虫」関連のギミックは、なかなか生理的にクるものがあります。


中西:実は、「BEDROOM」では技術的にも進歩しています。VRでプレイすると、プレイヤーは頭の位置を自由に動かせるのですが、そのプレイヤーの動きに、マーガレットの顔や目線が追従してくるようになってるんですよね。

――ええ! そうなんですか?

中西:やってみたら、生き物っぽさが格段に上がりました。彼女の意思を感じます。

安保:自分の視線に合わせて、顔が追ってくるんですね。

中西:VRで「BEDROOM」をプレイされている方は、ぜひ試してみてください(笑)。



【救いの無い『バイオハザード7』?】


――今作の話は「家族」をテーマにしていますが、プレイを終えてみるとビターな印象が残りました。 誰が“被害者”で誰が“犠牲者”なのか? ベイカーの“家族”、イーサンの“家族”…いろいろと考えさせられました。

中西:基本的には、プレイした人それぞれに解釈のしかたがあって良いと思っています。救いがあるかどうかも、受け取り方次第ではないでしょうか。

――ほかに展開で意識したことはありますか?

中西:展開ではないのですが、ストーリーテリングの手法、昨今は“ナラティブ”と言ったりするのですが、没入感を出すためのチャレンジをしました。カットシーンでキャラクターが行動したりしゃべったりするといった直接的な表現を極力抑える代わりに、ゲームの中に配置されているものや、一家がブツブツ言っている断片などから、ここで何が起きているのかがプレイヤーの頭の中で出来上がっていくようにする、というようなやり方です。



初代『バイオハザード』同様、机の上の新聞、スクラップ、メモ等で、断片的な状況がつかめます。
それを総合すると、ある状況が浮かび上がってくるのです。


中西:初期のバイオハザードでも、ファイルや日記から読み取って想像するというやり方はあったのですが、今回は、ファウンドフッテージのようなプレイアブルで見られる情報なども取り入れてます。こういったナラティブの手法は、開発段階で“分かりにくい”といった声もあって、バランスを見て直接表現を増やしいくことにしたのですが、製品版にも良いバランスで残せたかなと思っています。

――キチンとメッセージは読まないとイケないですね。
中西:そこはプレイスタイル次第なので、好きなように遊んでもらえればいいのですが、世間では、あまり読まずに勘違いしているユーザーを、別のユーザーが教えてあげてたりしていますね。



【『7』のキャラクターについて】


――今作では重要なキャラとして謎の少女が出てきます。この辺は『バイオハザード』のシェリーやナタリアのような、伝統に則った形でしょうか?(笑)

中西:そんな伝統ありましたっけ? 今回、キャラクターを美男美女にしてません。「実際にいそう」というのを重視しています。ミアについてもコンセプトは、ガールネクストドア(となりの女の子)です。そんな中、「美少女も必要なのでは?」という数字的な意味での意見もあって、じゃあホラー枠で入れよう、と作られた経緯がありました。



ある嵐の夜にベイカー家に訪れた謎の少女…。
DLC「DAUGHTERS」は本編クリア前に遊ぶのは厳禁!です。


――また、ゾイに関してですが、途中での選択肢にはビックリしますね。

中西:あの選択は、竹内さんの発案で途中から入れたんですよ

――ええ! そうだったんですか?



固定電話で会話する相手となる、ゾイ。
このキャラクターも、重要な立ち位置にいます。


中西:で、選択した結果も考えて、チームに話したら、“唐突すぎませんか?”とか、“ゾイを選ぶ理由が無くないですか?”とか、“意味が無い”と、とにかく紛糾した記憶があります(笑) 自分も作業量は置いといて、面白いと思ったし、そもそもなんで対等である必要あるの?と思ったのですが、やるとなるとチームは、なるべくゾイを選んでもらえるように、とかプレイヤーが選択で悩むよう、ミアとゾイのバランスを取るような議論もしていましたね。

――チームのキャラ愛が感じられる話ですね(笑)。

中西:実際にゾイのどの部位…じゃなくてどの部分が強化されたかはご想像におまかせするとして、結果として選択で変わる部分は最小限にしたのですが、同じシーンでも選択によって、見え方が変わるといったものになったのではないかと思います。ぜひ、どちらの選択も体験してほしいですね。

安保:ボクも『リベレーションズ2』でエピソード3から4に移るときにストーリー分岐を入れましたが、やはり“選択肢を入れる”という行為自体に意味があるんです。

――なるほど。たしかに、いろいろと納得感がありますね。



クドいようですがDLC「DAUGHTERS」を遊ぶのは本編をクリアしてから。


――あとラストといえば気になるキャラクターが出てきますが、ヘリコプターのロゴも合わせて、今作ではどういった立ち位置になっているのでしょう?

中西:その辺は、今後無料DLCで配信される「NOT A HERO」をプレイしていただけると分かります!

――なるほど! 楽しみにしています!!



今春配信予定の「NOT A HERO」。
一体、どんな物語が待ち受けるのでしょう!?


さて、今回はここまで!
ミアとゾイの選択肢、世界の皆さんがどちらを選んだかは、ぜひ「RE.NET」に登録し(登録&会費等、完全無料!)、ご確認ください!



果たして、ミア対ゾイの選択の結果は!?
RE.NETでは、さまざまな数値が確認できます!


次回は、『バイオハザード7』におけるリアリティと恐怖の関係、その延長としてのVRについて迫ります。
3/16公開予定。
乞うご期待!

(インタビュアー:キタさん、ウッチー)




【プロフィール】
安保康弘
1994年カプコン入社。
『バイオハザード』『バイオハザード2』にプログラマーとして参加し、続けて『鬼武者』、『鬼武者3』、『シャドウ・オブ・ローマ』を制作、その後ディレクターとして『バイオハザード5』から再び『バイオハザード』シリーズに参加。
『バイオハザード リベレーションズ』プランナー、『バイオハザード リベレーションズ2』ディレクター、『エクストルーパーズ』ディレクター。

中西晃史
2007年カプコン入社。
『バイオハザード5』ゲームデザインで参加。その後、『バイオハザード リベレーションズ』ディレクター、『バイオハザード7』ディレクターを担当。











 

パッケージ




商品名
BIOHAZARD 7 resident evil
(バイオハザード7 レジデント イービル)
対応ハード
PlayStation®4(PlayStation®VR対応/HDR対応、PlayStation®4 Pro 4K/HDR対応)、
Xbox One(Xbox One S HDR対応)
PC(STEAM/Windows 10 UWP)※Xbox Play Anywhere対応
希望小売価格
○通常版
【パッケージ版】7,990円+税
【ダウンロード版】
(PS4)7,398円+税 / (XboxOne)7,400円+税 /
(Steam)7,398円+税 / (Windows 10 UWP)7,407円+税
○デラックスエディション
ゲーム本編と2つのダウンロードコンテンツ 『Banned Footage Vol.1』『Banned Footage Vol.2』が含まれます。
Banned Footageの詳細はこちらから

【ダウンロード版】
(PS4)9,250円+税 / (XboxOne)9,280円+税 /
(Steam)9,250円+税 / (Windows 10 UWP)9,259円+税
※ダウンロード版のみの販売となります。
発売日
好評発売中
ゲームジャンル
サバイバルホラー
リンク
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